子ども原型と大人の原型は
何が違う?
子ども服の原型は、大人の原型をそのまま小さくしたものではありません。 身長が違うだけでなく、肩・胸・ウエスト・ヒップのバランスや、 動きやすさ、成長への考え方も変わります。 ここでは、子ども原型と大人の原型の違いを、原型づくりの視点から整理します。
子ども原型は
「大人の縮小版」ではない
子ども原型を考えるときに、まず大切なのは、 大人の原型をそのまま一定の倍率で小さくすればよいわけではない、ということです。
身長が低くなれば、肩幅や胸囲、背丈なども小さくなります。 しかし、すべての部分が同じ割合で小さくなるわけではありません。 年齢や成長段階によって、頭身、胴の長さ、胸・ウエスト・ヒップの差、 肩の傾きなどのバランスも変わります。
身体の比率が違う
子どもと大人では、身体各部の比率が異なります。 とくに幼児期から学童期では、胸・ウエスト・ヒップの差が大人ほど大きくないことが多く、 身頃の輪郭も比較的まっすぐに近い形になります。
また、肩幅、背丈、股上、脚の長さなどの関係も、 大人の比率をそのまま当てはめることはできません。
胸・ウエスト・ヒップ
大人用原型では、バスト・ウエスト・ヒップの差が原型の形に大きく反映されます。 子ども用では、その差が比較的小さいため、 脇線やダーツの処理も大人用ほど強くならない場合があります。
肩・背丈
肩幅や肩傾斜、首まわり、背丈の関係も成長によって変わります。 そのため、成人原型の肩やアームホールだけを縮小して使うと、 子どもの身体に対してバランスが合いにくくなることがあります。
ダーツの考え方が違う
大人の婦人原型では、バストの立体を処理するために、 肩・脇・ウエストなどへダーツを設けることが多くあります。
一方、子ども原型では、対象となる年齢や体型によっては 大きなバストダーツを必要としない場合があります。 身体の凹凸が成人ほど大きくないため、 原型の立体処理も比較的シンプルになります。
ただし、子ども原型でもダーツをまったく使わないとは限りません。 原型の方式やデザイン、対象サイズによって、 肩やウエストなどの分量を調整するためにダーツを使うことがあります。
ゆとりと動きやすさを
より意識する
子ども服では、見た目のフィットだけでなく、 動きやすさや着脱のしやすさも重要です。
子どもは座る、しゃがむ、走る、腕を上げるなど、 日常の中で大きく身体を動かします。 そのため、原型や完成型紙では、 身体寸法にぴったり合わせることよりも、 必要な運動量を確保することが大切になる場合があります。
動かしやすい
ゆとり
小さすぎない
成長を見越した考え方も必要
大人の原型と比べて、子ども原型では「成長」という要素もあります。 数か月から1年で身長や各部寸法が変わるため、 服をどのくらいの期間着せたいかによっても設計の考え方が変わります。
ただし、原型そのものを必要以上に大きく作ると、 肩位置やアームホール、股ぐりなどが身体から外れてしまいます。 成長分を考える場合は、 基本原型を大きく崩すより、完成型紙の丈やゆとりで調整する方が扱いやすい場合があります。
子ども原型と大人原型を比べる
大まかに整理すると、次のような違いがあります。 ただし、子どもも大人も個人差が大きいため、 あくまで原型設計の基本的な傾向として見てください。
KATAPATAの子ども原型
KATAPATAでは、子どもの身体バランスに合わせたKIDS原型ツールを用意しています。 大人用原型を単純に縮小するのではなく、 子ども用の寸法と原型計算をもとに、身頃・袖・パンツなどを作成します。
110cm前後のサイズでは男女共通の基本原型として扱い、 画面上で形を確認しながら調整できます。 必要に応じてダーツ移動も試すことができます。
子ども原型も、大人原型と同じように、 作成後は肩、アームホール、丈、股上などを確認し、 実際の身体や試作に合わせて必要な調整を行ってください。
大人の縮小ではなく、
子どもの身体バランスから原型を作る。
KATAPATAでは、子ども用の基本原型もブラウザ上で作成・調整・PDF出力できます。