アームホールと袖山の長さを
確認する理由
身頃と袖を別々に作ると、それぞれの形だけを見て「きれいにできた」と判断しがちです。 でも袖を身頃へ縫い付けるためには、アームホールと袖山が一組として合っていることが重要です。 ここでは、なぜ長さを確認する必要があるのか、どこを測るのか、 長すぎる・短すぎると何が起きるのかを整理します。
アームホールと袖山は
一組で考える
身頃の腕を通す開口部がアームホール、袖の上部にある山形のカーブが袖山です。 袖を付けるときは、このふたつのカーブを縫い合わせます。
そのため、身頃のアームホールだけがきれいでも、 袖山だけがきれいでも十分ではありません。 両方の長さと前後の対応が合って、はじめて袖付けが成立します。
どの長さを測ればいい?
比べるのは、基本的に「実際に縫い合わせる線」の長さです。 縫い代を付けた型紙であれば、縫い代の外側ではなく、 身頃のアームホール線と袖の袖付け線を測ります。
また、前身頃と後ろ身頃ではアームホールの形や長さが異なるため、 全周だけでなく前後を分けて測ると確認しやすくなります。
それぞれ測る
それぞれ測る
差を確認する
同じ長さでなくてもよい理由
アームホールと袖山は、必ずしも完全に同じ長さである必要はありません。 袖山側を少し長くして、その差を「いせ」として身頃へなじませる設計があります。
いせを入れると、袖山に丸みを持たせたり、肩まわりの立体へなじませたりできます。 ただし、必要ないせ量は、原型方式、袖山の高さ、服のデザイン、 生地の厚みや張りによって変わります。
シャツ袖など、袖山を比較的低くして動きやすさを重視する場合は、 大きないせを入れない設計もあります。
袖山に丸みを出したい場合は、意図的に長さの差を作り、 その分を袖付け時になじませます。
袖山が長すぎるとどうなる?
袖山がアームホールに対して必要以上に長いと、 袖付けのときに余る分量が大きくなります。
いせとして吸収できる範囲を超えると、 袖山に細かなギャザーのようなしわが出たり、 縫い合わせに無理が出たりすることがあります。
- 袖山に余りが集中する
- いせ込みで処理しきれず、しわや膨らみが出る
- 袖付け位置がずれやすくなる
- 前後の合印が合わなくなることがある
ただし、パフスリーブなど意図的にギャザーや膨らみを作る袖は別です。 ここでは、基本袖や通常のセットインスリーブとして考えています。
袖山が短すぎるとどうなる?
反対に、袖山の長さがアームホールより短すぎると、 縫い合わせるために袖側または身頃側を無理に伸ばす必要が出てきます。
その結果、アームホール周辺が引っ張られたり、 袖が持ち上がったり、袖山から不自然な斜めじわが出たりする原因になります。
袖山高さを変えると
長さも変わる
袖山高さを上げ下げすると、袖のシルエットだけでなく、 袖山カーブの長さも変化します。
一般に袖山を高くすると、袖山カーブは深くなり、 袖幅や腕の動きとの関係も変わります。 低くすると、袖山はなだらかになり、シャツのように動きやすい袖へ近づけやすくなります。
そのため、袖山高さを調整したあとに 「形がきれいだからこれで完成」とせず、 もう一度アームホールと袖山の長さを測り直すことが重要です。
変更する
整える
もう一度確認する
前後を分けて確認する
アームホールと袖山は、全周の合計だけが合っていればよいわけではありません。 前身頃のアームホールには袖山の前側、 後ろ身頃のアームホールには袖山の後ろ側が対応します。
合計では一致していても、前側が長すぎ、後ろ側が短すぎる状態では、 袖の前後位置がずれてしまいます。
- 前アームホールと前袖山を比較する
- 後ろアームホールと後ろ袖山を比較する
- 肩点・脇点・合印の位置関係を確認する
- 最後にアームホール全周と袖山全体の長さも確認する
KATAPATAで確認する
KATAPATAでは、ものさしツールを使って、 クリックした線やカーブの長さを確認できます。 身頃のアームホールと袖山をそれぞれ測ることで、 調整後の長さの差を画面上で確認できます。
袖山高さや袖山カーブを動かしたときは、 見た目だけでなく長さも確認し、 身頃側のアームホールとの関係を見ながら調整してください。
特に、前後の袖山とアームホールを分けて確認すると、 どちら側に差があるのかが分かりやすくなります。
袖山を調整したら、
最後に長さも測ってみる。
KATAPATAでは、ものさしツールを使ってアームホールや袖山などのカーブ長を画面上で確認できます。