ダーツを1か所に集める場合と
分散する場合の違い
同じ立体量でも、ダーツを1か所にまとめるか、肩・脇・ウエストなどへ分散するかで、 原型の見え方や縫いやすさ、身体へのなじみ方は変わります。 ここでは「ダーツ量は同じなのに、なぜ仕上がりが違って見えるのか」を、 原型の立体とデザインの両方から考えます。
まず「ダーツ量」は同じと考える
ダーツを1か所へ集める場合と、複数へ分散する場合を比べるとき、 最初に押さえておきたいのは「立体を作るための合計ダーツ量」です。
たとえば、ある原型で必要なダーツ量が合計4cmあるとします。 それを1本の4cmダーツとして使うこともできますし、 2cm+2cmの2本、あるいは1cm+1cm+2cmの3本に分けることもできます。
合計のダーツ量を保ったまま位置だけを変えるのであれば、 原型が持つ基本的な立体量も大きくは変わりません。
1か所に集めるとどうなる?
ダーツ量を1か所へ集めると、ひとつのダーツが大きくなり、 その位置で立体を強く作る形になります。
立体分量がひとつにまとまるため、 「どこでどれだけ布をたたんでいるか」を確認しやすくなります。
ダーツ量が大きいほど、縫い目としての存在感も強くなります。 生地や位置によっては、ダーツ先端の丸みが目立つ場合もあります。
特にバストの立体が大きい原型では、ひとつのダーツへ分量を集中させると、 ダーツ幅が大きくなります。 そのため、ダーツ先端の位置や長さ、縫い終わりのなじませ方が仕上がりに影響しやすくなります。
複数に分散するとどうなる?
ひとつの大きなダーツを肩・脇・ウエストなどへ分散すると、 1本あたりのダーツ量は小さくなります。
合計の立体量を保ちながら複数方向から身体の丸みに沿わせるため、 見た目としては立体が分散し、ひとつの大きなダーツより穏やかに見えることがあります。
1か所へ
分散
分散
同じダーツ量でも
見え方が変わる理由
「合計のダーツ量が同じなら、どこへ分けてもまったく同じ服になるのでは?」 と思うかもしれません。 しかし、実際の仕上がりは完全に同じにはなりません。
ダーツの方向が変わる
肩からバストへ向かうダーツと、脇からバストへ向かうダーツでは、 布を立体へ変える方向が異なります。 同じ分量でも、身体へのなじみ方や見た目の印象が変わります。
ダーツの長さが変わる
同じダーツ量でも、バストポイントから離れた位置へ移動すると、 ダーツの角度や長さが変わります。 ダーツ先端の位置をどこまで近づけるかによっても、仕上がりの丸みは変わります。
生地の性質が影響する
薄くてなじみやすい生地と、厚く張りのある生地では、 同じダーツでも立体の出方が違います。 大きなダーツを1本にまとめるより、 小さく分散した方がなじみやすい生地・デザインもあります。
どちらを選べばいい?
1か所に集めるか、複数に分けるかに絶対的な正解はありません。 作りたいデザイン、身体の立体、生地、縫製方法に合わせて選びます。
1か所に集めやすい場合
- ダーツをデザイン線としてはっきり見せたい
- 縫うダーツの本数を少なくしたい
- 原型の立体量を分かりやすく確認したい
- その位置のダーツがデザイン上自然に見える
分散しやすい場合
- ひとつのダーツが大きくなりすぎる
- 複数方向から穏やかに立体を作りたい
- 肩・脇・ウエストなどへデザイン線を分けたい
- ダーツをタックやギャザーへ変える予定がある
大切なのは「何本にするか」よりも、 そのダーツが身体のどの立体を処理しているのかを理解したうえで配置することです。
ダーツ以外の表現へ
変えることもできる
ダーツ移動の考え方を使うと、 ダーツ量をそのままダーツ線として残すだけでなく、 タック、ギャザー、切り替え線などへ展開することもできます。
たとえば、ウエストダーツの分量を細かなタックへ分けたり、 バストダーツを切り替え線の中へ取り込んだりする方法があります。 立体を作る分量をどこへ移すかという考え方は同じです。
縫う
置き換える
取り込む
KATAPATAで分散を試す
KATAPATAでは、原型を作成したあと、 ダーツを別の位置へ移動したり、複数の位置へ分散したりできます。
1か所へ集めた状態と、肩・脇・ウエストなどへ分けた状態を画面上で見比べると、 ダーツ量がどのように移動しているかを確認しやすくなります。
ダーツを移動・分散したあとは、 ダーツ位置だけでなく、肩線・脇線など外周線のつながりも確認し、 必要に応じて調整してから保存・PDF出力してください。
ひとつに集める。いくつかに分ける。
原型で違いを比べてみる。
KATAPATAでは、原型を作成したあと、ダーツの移動や分散を画面上で確認できます。